産業カウンセラーとは

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産業カウンセラーとは

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 産業カウンセラーは、職場でカウンセリングをおこなうカウンセラーです。
心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように援助することを主たる業務としています。その仕事は、時代によりいろいろ変化してきました。最初の頃(高度成長期の初期)は地方から集団就職してきた多くの若者の援助者として、また高度成長期の最頂期には、OA革命に象徴される 職場環境の激変でメンタル・ヘルスの推進者として、そして今では、キャリアナビゲーターとして、企業内のキャリア開発支援者として、リストラの中で苦しむ多くの人たちの良き理解者・援助者として活躍しています。
 カウンセラーは、コンサルタントでもなければ、身の上相談者でもありません。私達は、人間はより良い自己を目指して生きていく、素晴らしい力をもっているという確信をもって、それを援助する者と考えていますから、クライエントの伴走者を任じています。

産業カウンセラーの活動領域

1.メンタルヘルス対策への援助

 近年の企業の人事労務政策の変化、とくに雇用の不安定化、成果主義の導入などが労働者にあたえているストレスには厳しい ものがあります。
 これを放置しておけば、仕事の生産性の低下や心身の変調へとつながり、些細なミスが大事故を発生させる危険も予想されます。労働者の許容量をはるかに超える過度のストレッサーに対する組織側のコントロールが必要であるとともに、個人側のそれに対する予防方法・ストレスのコントロールを助言・援助する必要 があります。そこで、産業カウンセラーによる個別カウンセリングはもとより、従業員対象のサイコエデュケーションおよび管理・監督者に対するメンタルヘルス研修・相談(コンサルティーション)の組織化など、産業カウンセラーは皆さんのメンタルヘルスの維持・改善などの要望に応えられるはずです。

2.キャリア開発への援助

 いま、産業構造の変化、技術革新の進展、労働者の就業意識・就業形態の多様化のなかで労働移動が激しくなりつつあります。その結果、企業内だけでなく企業外でも通用する職業能力が労働者に求められだしています。
 厚生労働省も、よりよい労働者のキャリアアップを援助するキャリアコンサルタントの養成に乗り出しました。私たち産業カウンセラー協会もここ数年来キャリアカウンセリングの分野を開拓し、推進してきました。
 また、私たち協会は労働者の上質な職業生活(Quality of Life)を実現するための組織開発にも取り組んでいます。

3.職場における人間関係開発への援助

 職場で発生する問題を一つひとつを後追いしていくような、いわゆる「モグラ叩き」では、真の解決にはなりません。そのためには、予防開発的対策が必要です。総合的なメンタルヘルス対策とキャリア開発とともに、個人としての成長を促す人間関係育成のためのアプローチが必要です。具体的には管理職と職員との 関係、経営政策への参加意識、ソーシャルスキル、リーダーシップ、アサーションスキル、コミュニケーションスキル、自己開示などを指導・援助します。
 さらには男女共同参画社会の職場づくりなど、より良い職場環境をつくるための組織開発のプログラムが要求されます。産業カウンセラーはそうした労使委員会への参画にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。